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2004.02.16

遠い約束

『遠い約束』 光原百合 創元推理文庫

 浪速大学に入学した桜子は、憧れのミステリ研究会に入部する。初めての合宿で遭遇した謎、『消えた指環』。関ミス連の例会で起きた、『「無理」な事件』。昔の級友から届いた暑中見舞いの謎、『忘レナイデ……』。その合間に桜子の大叔父が残した遺言の謎をとく『遠い約束』が挿入された短篇連作集。謎を解くのは、ミステリ研の頼もしい3人の先輩たち。

 すごくよかった。表紙や挿絵は野間美由紀で、これが創元推理文庫?とびっくりしたけど、光原百合の名前は『時計を忘れて森へいこう』で知っていたので、読みたいと思っていたのだ。(こちらもぜひ読まなくては)
 どの作品も読後感もいいし、何か温かい気持ちにさせてくれる。はまった言葉は「天下御免の名探偵ミーハー」。ふふふ、わたしも桜子のように名探偵ミーハーだなぁと思ってしまった。いいなあ、こんなミステリ研があったら、わたしも入りたかった。
 ジーンときたのは、「書くこと」。わたしにとって「書くこと」って何か、もう一度考えたいと思った。そして読むことも。登場人物のひとりがいう。

「人生最後に食べる物は何がいいかって質問があるけど、僕は人生最後に読む本が何かのほうが気になるんですよ。何度も読み返した愛するミステリをもう一度読みながら最期を迎えられたら最高ですね」(103ページ)

 これからいったい何冊の本に出会えるだろう。そして最期に読む本はなんだろう。ラストの手紙には思わず泣いてしまった。

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