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2004.10.30

その瞬間

詩人(うたびと)たちの旅(創元推理文庫)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著・田村美佐子訳

 4部作〈デイルマーク王国史〉の第1部。王を失ってから、南部と北部に分かれいがみあっているデイルマーク国。国じゅうを自由に通行できる詩人一家に生まれた、末っ子のモリルの視点から描かれていて、読みやすい正統派ファンタジーだ。陽気な父と、物静かな母、おとなしい兄と気の強い姉といっしょに、馬車に乗って旅をする。ある日少年キアランを乗せたことから、一家の生活は大きな変貌をとげる。

 ジョーンズ初期の作品ということで、話の筋は一直線で読みやすい。登場人物の個性が豊かに描かれているところは、さすがジョーンズ。一家は町々をめぐりながら、古い民謡を歌ったり、物語を聞かせたりして日銭を稼いで暮らしている。だから子どもたちも楽器を習い、歌を作る。クィダーという弦楽器がすてき。あしべゆうほの『風の呪歌』を思い出した。弦楽器って好きだ。わたしは学生時代にマンドリンをやっていた。また弾きたくなった。みんなで調律していくところが好き。音がふわっとぴったりあう瞬間がよい。ジョーンズ作品の魔法は、自分で気づくことが必要だが、今回もモリルが「気づく」瞬間がぞくぞくした。2部『聖なる島々へ』も買ってしまいました。

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