錬金術
読破ページ数【10】
高校生のローランドは、ある日万引きをしてしまった。それを知った教師から、万引きしたのを黙っているかわりに、ちょっと変わった女の子ジェスのことを調べるように指示される。しかたなくジェスに近づいたローランドだったが、ジェスと彼女の家の奇妙な雰囲気に次第に惹かれていった。
ローランドに備わっている不思議な能力、普通なら魔法といいたいところを、マーヒーは「錬金術」としている。その力を狙うものも出てきて、緊張感にみちた展開。だが本筋は、思春期から大人への脱皮ということだろう。結末はまっとうだなと思った。幼いころは、すべてをさらけ出していてもよかったが、成長し、外との世界にふれあうにつれ、さまざまな仮面をつけていかなければならない。ローランドにしても、末の弟が生まれた日に父親が家をでて、家では母を支える優等生として通してきた。しかし、優等生の顔がローランドのすべてではない。この年頃の苛立ち、不安感のようなものが、「錬金術」に象徴されているのかもしれないと思った。
個人的におもしろかったのは、ブレイクの詩の引用。ちょうどこの前に読んだ『おわりから始まる物語』でも引用されていた(こちらは、おとうさんがお風呂で暗唱していて、ジミーはお父さんが作った詩だと思っていた)。続けて読んだ2冊に同じ詩がでてくるなんて。実はわたしも中学生のころつけていた日記帳の最初のページに、毎回この詩を書き写しておいたのを思い出した。原文を引用しておく。
To see a World in a Grain of Sand
And a Heaven in a Wild Flower,
Hold Infinity in the palm of your hand
And Eternity in an hour.
(William Blake "Auguries of Innocence")

ところで、ココログをはじめて2年になりました。いつも読んでくださって、どうもありがとうございます。午前中にカウンターを記念撮影。これからもよろしくお願いします。
◆◇ ただいまの走行距離 ◇◆
・訳す(書く) 6枚 733/2000
・「英文和訳演習(中級篇)」 16/24
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