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2006.06.05

人の悪意

読破ページ数【30】

ウィルキンズの歯と呪いの魔法
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 / 原島 文世訳 / 佐竹 美保絵

 ジェスとフランクの姉弟は、4か月間こづかいを停止されたため、〈仕返し有限会社〉を始めることにする。だれかに復讐したい人からお金をもらってかわりに復讐してあげる、というものだ。最初のお客はいじめっこのバスター。ウィルキンズに歯をおられたので、ウィルキンズの歯をとってこいという。それを引き受けたのがきっかけで、次々と変なお客があらわれるが、肝心のお金は手にはいらない。そして、「ウィルキンズの歯」が原因で、子どもたちが魔女と呼ぶビディとトラブルになってしまう。ビディは本当に魔女なのだろうか……?
 人の悪意にむやみにかかわると、痛い目にあうというお話。

「だれでもそのやりかたは知っているものよ。人への親切という名前でごまかしているかもしれないけどね――わたしもそうだったわ。でなければ、そうしてなにがいけないのかと自分に言いきかせるとかね。それでも、いいことに見せかけて悪いことをしているという事実は変わらないのよ。あなたがまさにそういうことをしているという気がするわ」(112ページより引用)

 マイナスの気持ちというのは、うまく発散させないと、とんでもないことになる、というのがジョーンズの作品にはよくでてくると思う。悪意というのは、常にそれらしい顔をしているわけではない。「親切」だったり「善意のふり」をしていたり。そこを見極められるようにならないといけないなと思う。子どもたちのパワーで、この悪意を打ち破るところは快感。今回は魔力を持たない子どもたちが活躍する。ジョーンズの世界の魔法は、必ずある規則にのっとって働くので、魔力をもっていない子どもたちでも、その規則に気がつけば解けるわけ。そこがおもしろいなと思う。逆に魔力を持っていても、規則を知らないとうまく使いこなせない。
 ジョーンズ作品初期の作品ということで、流れはそれほど込み入っていないので、読みやすいと思う。次々と話がややこしくなっていって、興味をひっぱっていき、最後にすべてがぴたりと収まるところはさすがジョーンズ。

◆◇ ただいまの走行距離 ◇◆

・訳す(書く)       10枚  886/2000
・「英文和訳演習(中級篇)」    16/24

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コメント

上野空さま

 自分も善意のふりして、悪いことをしていないかと、どきっとさせられました。

投稿: 蒼子 | 2006.06.06 10:33

わあ、これ、面白そうですね。善意のふりをした悪意、そういうものを見分けられるというのは、大切なことですよね。

投稿: 上野空 | 2006.06.05 23:08

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受信: 2006.06.21 21:48

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