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2007.10.27

温厚篤実

読破ページ数【20】

『遠まわりする雛』 米澤穂信作 角川書店(2007.10)

「古典部」シリーズ4作目の短編集。既刊『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番 「十文字」事件』の話題がちょろちょろでてくるので、順番どおり読めばよかったとちょっぴり後悔。でもおもしろかった。
 神山高校を舞台に、日常の謎をあつかう青春ミステリ。こういう青春ものを読んでいると、いままでは自分の過去と重ね合わせて、懐かしさを感じながら読んでいたのだけど、これはどうも現在高校生の息子と重ね合わせてしまっていけない(別に登場人物の誰かに似ているわけではないのだが)。7篇中6篇は雑誌で既出だが、最後の書き下ろし「遠まわりする雛」が、特によかった。ええ~、これからどうなるって感じで先が気になる。それにこれは情景が目の前に思い浮かぶんだよなぁ。
「小市民」シリーズと同じくらい先が気になる。まずは既刊を読まなくては。

◆米澤穂信、読了本の感想
インシテミル
夏期限定トロピカルパフェ
ボトルネック

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2007.10.20

寸善尺魔

読破ページ数【20】

『魔使いの呪い』 ジョゼフ・ディレイニー作 金原瑞人・田中亜希子訳 東京創元社(2007.09)

 『魔使いの弟子』の感想書きそびれてました。ちょうど『海賊ジョリーの冒険3 深海の支配者』でも、宗教について考えていたところで、この本でも教会の意味を考えさせられた。この本の世界では魔を退治できるのは、魔使いなのだ。しかし教会はそれをみとめようとしない。主人公のトムは、そこをしっかりと見据えて魔使いらしくなってきた。続きも楽しみ。

すべてが善の者も、すべてが悪の者もいない。わたしたちはみな、そのあいだのどちらか寄りにいるの。(252ページ)

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2007.10.16

生生流転

読破ページ数【20】

海賊ジョリーの冒険3 深海の支配者 カイ・マイヤー作 遠山明子訳 あすなろ書房(2007.07)

★シリーズ物につき1巻のネタバレを含みます★

◆「海賊ジョリーの冒険」シリーズ既刊の感想
1巻「死霊の売人」
2巻「海上都市エレニウム」

 〈大渦潮〉(マールシュトローム)を封じ込めるために、ムンクとジョリーはとうとう海底へと旅立つ。ぎくしゃくしたままのムンクとふたりっきりだが、何が起こるかわからない海底では協力しあうしかない。やがて、誰からも聞かされていなかった、都市の廃墟にたどりついた。そこにはアイナという少女がいた。海底でも生きていられるミズスマシはもういないはず。アイナはなぜこの海底にいるのだろう……? あっさりとアイナの話を信じてしまうムンクに、ジョリーは不安を募らせる。
 一方エレニウムには、〈大渦潮〉が送り出したクラバウターの大群がせまってくる。その背後では海賊と人食い族の混成軍がエレニウムを狙っていた。
 グリフィンは飛行エイの操縦士として、ソールダットは潜水して海底で、ウォーカーとブエナベントゥーレは地上で、それぞれた戦い入った。

 最後の決戦となる、壮絶な戦いのシーンに圧倒された。

年代記作者が何を書こうが、敵味方入り乱れての戦いに優雅なところなど微塵もない。戦いとは残忍で情け容赦のないものなのだ。(119ぺージより引用)

 戦いのさなかで、いったい誰が、何のために戦っているのかわからなくなっていくさまにはぞっとする。戦いの場面はかなりシビアな描写なのではないだろうか。また、海底でのムンク、ジョリー、アイナの息詰まるような心理戦も読みごたえがあった。そうした中でジョリーがしっかりと考えて自分を見失わないところに、3巻にいたるまでの成長を感じた。ムンクは最後まで何を考えているのかわからなかったな。グリフィンは、もうジョリーひと筋でかっこいい。1巻で登場したときは頼りなかったのに。
 〈大渦潮〉の正体や生まれた訳など、これまで出てきた謎が次々と明かされていくが、意外だったのは神々の存在。2巻で「邪悪とはなにか」との問いかけられてから、どうなるのかなと思っていたら、ほぅーという感じだった。ファンタジーが描く、神と「畏怖」する存在について、いろいろと考えさせられた。
 今後のわたしの研究(?)課題として、「蛇」を調べてみようと思った。

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2007.10.12

追根究底

読破ページ数【20】

龍馬を斬る ―誰が龍馬を殺したか― 黒鉄ヒロシ作 小池書院(2007.09)

 中岡説、土佐藩説、新撰組説、薩摩藩説、フリーメーソン説と緻密に検証。一気に読んでしまった。

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2007.10.06

油断大敵

読破ページ数【20】

ダイヤルAを回せ ジャック・リッチー作 駒月雅子・藤村裕美・武籐嵩恵・好野理恵訳 河出書房新社(2007.09)

 堪能しました。カーデュラいいなぁ。

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2007.10.01

9月に読んだ本

読破ページ数【20】

★絵本

帆かけ舟、空を行く クェンティン・ブレイク作 柳瀬尚紀訳 評論社(2007.09)
ゆうびんやさんおねがいね サンドラ・ホーニング文 バレリー・ゴルバチョフ絵 なかがわ ちひろ訳 徳間書店(2007.09)
ゆめみるリジー ジャン・オーメロッド作・絵 はやかわゆか訳 アールアイシー出版(2007.08)
いぬのおやくそく クリス・ホーンゼイ作 グゥイン・パーキンス絵 みましょうこ訳 アールアイシー出版(2007.08)
こんにちは・さよならのまど ノートン・ジャスター文 クリス・ラシュカ絵 BL出版(2007.08)
うみべのおとのほん マーガレット・ワイズ・ブラウン文 レナード・ワイズガード絵 江國香織訳 ほるぷ出版(2007.08)
ハンタイおばけ トム・マックレイ文 エレナ・オドリオゾーラ絵 青山南訳 光村教育図書(2006.10)
ひよこのコンコンがとまらない ポール・ガルドン作 福本友美子訳 ほるぷ出版(2007.07)
フェアリーショッピング サリー・ガードナー作 神戸万知訳 講談社(2007.07)
おじいちゃんのところ ヘレン・V・グリフィス文 ジェームズ・スティーブンソン絵 あきのしょういちろう訳 童話館出版(2007.09 新訳)
おいかけるぞおいかけるぞ まっかなちっちゃいきかんしゃのぼうけん ベネディクト・ブラスウェイト作 青山南訳 BL出版(2007.09)
きゅうこうだ いそげいそげ まっかなちっちゃいきかんしゃのぼうけん ベネディクト・ブラスウェイト作 青山南訳 BL出版(2007.09)
スキーをはいたねこのヘンリー メリー・カルホーン文 エリック・イングラハム絵 猪熊葉子訳 リブリオ出版(2002.04 再刊)
きみのうち、ぼくのうち ヤン・ホアン文 ホアン・シャオイェン絵 中由美子訳 岩崎書店(2006.05)

★読み物

スノーグース ポール・ギャリコ作 アンジェラ・バレット絵 片岡しのぶ訳 あすなろ書房(2007.09)

遊んで遊んで―リンドグレーンの子ども時代 クリスティーナ・ビヨルク文 エヴァ・エリクソン絵 石井登志子訳 岩波書店(2007.07)
ヴォイス 西のはての年代記II アーシュラ・K・ル=グウィン作 谷垣暁美 河出書房新社(2007.08)
うちの一階には鬼がいる! ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作 原島文世訳 東京創元社(2007.07)
ラークライト 伝説の宇宙海賊 フィリップ・リーヴ作 デイヴィッド・ワイアット画 松山美保訳 理論社(2007.08)
名探偵アガサ&オービル ファイル2 おばあちゃん誘拐事件 ローラ・J・バーンズ&メリンダ・メッツ作 金原瑞人・小林みき共訳 文溪堂(2007.07)
女王陛下の影法師 君塚直隆著 筑摩書房(2007.07)
吉原手引草 松井今朝子著 幻冬舎(2007.03)
インシテミル 米澤穂信作 文藝春秋(2007.08)
モンテロッソのピンクの壁 江国香織作 荒井良二絵 集英社文庫(2004.07)1992年ほるぷ出版刊の文庫化

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