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2007.10.16

生生流転

読破ページ数【20】

海賊ジョリーの冒険3 深海の支配者 カイ・マイヤー作 遠山明子訳 あすなろ書房(2007.07)

★シリーズ物につき1巻のネタバレを含みます★

◆「海賊ジョリーの冒険」シリーズ既刊の感想
1巻「死霊の売人」
2巻「海上都市エレニウム」

 〈大渦潮〉(マールシュトローム)を封じ込めるために、ムンクとジョリーはとうとう海底へと旅立つ。ぎくしゃくしたままのムンクとふたりっきりだが、何が起こるかわからない海底では協力しあうしかない。やがて、誰からも聞かされていなかった、都市の廃墟にたどりついた。そこにはアイナという少女がいた。海底でも生きていられるミズスマシはもういないはず。アイナはなぜこの海底にいるのだろう……? あっさりとアイナの話を信じてしまうムンクに、ジョリーは不安を募らせる。
 一方エレニウムには、〈大渦潮〉が送り出したクラバウターの大群がせまってくる。その背後では海賊と人食い族の混成軍がエレニウムを狙っていた。
 グリフィンは飛行エイの操縦士として、ソールダットは潜水して海底で、ウォーカーとブエナベントゥーレは地上で、それぞれた戦い入った。

 最後の決戦となる、壮絶な戦いのシーンに圧倒された。

年代記作者が何を書こうが、敵味方入り乱れての戦いに優雅なところなど微塵もない。戦いとは残忍で情け容赦のないものなのだ。(119ぺージより引用)

 戦いのさなかで、いったい誰が、何のために戦っているのかわからなくなっていくさまにはぞっとする。戦いの場面はかなりシビアな描写なのではないだろうか。また、海底でのムンク、ジョリー、アイナの息詰まるような心理戦も読みごたえがあった。そうした中でジョリーがしっかりと考えて自分を見失わないところに、3巻にいたるまでの成長を感じた。ムンクは最後まで何を考えているのかわからなかったな。グリフィンは、もうジョリーひと筋でかっこいい。1巻で登場したときは頼りなかったのに。
 〈大渦潮〉の正体や生まれた訳など、これまで出てきた謎が次々と明かされていくが、意外だったのは神々の存在。2巻で「邪悪とはなにか」との問いかけられてから、どうなるのかなと思っていたら、ほぅーという感じだった。ファンタジーが描く、神と「畏怖」する存在について、いろいろと考えさせられた。
 今後のわたしの研究(?)課題として、「蛇」を調べてみようと思った。

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