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2008.07.23

存在証明

読破ページ数【40】


『シュワはここにいた』シュワはここにいた ニール・シャスタマン作 金原瑞人・市川由季子訳 小峰書店(2008.06)
・2005年ボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門受賞作

 ある日アンツィは存在感の薄いシュワと口をきいた。理科の時間にはとなりにすわっているはずなのに、それまで意識したことはなかった。シュワはなぜか誰の目にもうつらないらしい。手をあげても教師でさえも気がつかないのだ。そんな伝説がたっぷりあった。以来アンツィはそれを「シュワ効果」とよんで、「ビジネス」をはじめる。そうして賭けにのったふたりは、町でも変わり者の評判をもつクローリーさんの家にしのびこみ、あっさり見つかってしまう。そして警察につきだされないのを条件に犬の散歩係にされてしまった。

 自分の立ち位置がわかりかけてくる年頃。自分の存在証明はどこにあるのだろう。クラスの中で誰からも相手にされず、親にすらときどき存在を忘れられてしまうシュワ。アンツィもまた程度はちがっても自分は兄妹にはさまれめだたない存在だと思ってきた。
 自分の存在ってどうやってわかるものなのだろう。これは現代ならではの悩みなのだろうか。そんなふたりの前にクローリーさんの孫娘レクシーがあらわれる。彼女は生まれてすぐの事故がもとで視力を失っていた。だからこそ、見えるものにまどわされずに、まわりのことがわかっていた。それがふたりに影響を与えていく。レクシーとの出会いでアンツィとシュワは成長へのきっかけをつかんだのだった。
 家族でも友人にでも、すべてをさらけだすことはできないけれど、でもまわりに人がいるからこを見えてくる自分もある。いまわたしは誰にどんな自分を見せているのだろうと思った。

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