« 大人にみえないもの | トップページ | ひとりで生きる »

2008.09.25

家族の絆

読破ページ数【20】

『消せない炎』ジャック・ヒギンズ&ジャスティン・リチャーズ作 田口俊樹訳 理論社(2008.07)

 生き残ること――それがすべてだ。(299ページより)

 ジャック・ヒギンズ初のYA小説です。

 15歳のジェイドとリッチは双子の姉弟。母親と3人で何年もニューヨークで暮らしていた。イギリスのマンチェスターに帰ってきた直後に、交通事故で母親が死んでしまう。ほかに身よりはなくふたりは途方にくれた。ところが母の葬儀に父だというが現れジョン・チャンスと名乗る。そしてふたりをロンドンにつれていった。父親のアパートは殺風景で、電話には妙な装置がついていて謎めいた行動をしている。仕事に何をしているのかも話してくれないうえに、突然父親だといわれても急にうちとけられるはずもなく、ふたりを男女別々の寄宿学校にいれようとしていることを知り、険悪なムード。ふたりはあやしげな電話をうけて出かけた父を尾行することにした。しかし目の前で銃をもった男たちに父は拉致されてしまった。
 警察にかけこむが、「ジョン・チャンス」などという人物は存在しないととりあってくれない。いったい「父さん」は何者なのか。そしてふたりに接触してくる人物たちは敵か味方か!

 姉弟スパイといえば「スパイキッズ」、ティーンエイジャーのスパイといったら「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズを思い出す。アレックスは知らなかったとはいえ、叔父さんから英才教育を受けていたわけだし、秘密兵器も作ってもらえたけど、この姉弟は15年間父親の存在すらも知らなかったところに、いきなり陰謀に巻き込まれてしまった。リッチは読書好きな理論派、ジェイドは身体を動かすのが好きな行動派。このふたりが双子らしく息の合ったコンビネーションと、携帯電話を駆使して、父親救出という難局に立ち向かっていく。その危さにぐいぐいと引き込まれてしまう。インターネットカフェで情報を検索したり、ipodでメッセージを聞いたりと、生活面ではまったく日本と同じ。最後の携帯電話の使い方はなかなかおもしろかった。一気に読めてすかっとする冒険小説。
 それにしてもお父さんがかっこいいよ。お父さんの過去話も読んでみたいなぁ。
 3人のこれからが気になるし、これだけで終わるのはもったいないと思ったら、シリーズ化されているようです。続編は"Death Run"とのこと。

|

« 大人にみえないもの | トップページ | ひとりで生きる »

ヤングアダルト」カテゴリの記事

コメント

fiafiaさん

 こんにちは。おお、そうだったんですね。たしかに双子生意気ですね。でもだんだんとお父さんにひかれていくところは好感もてました。お父さんと相棒がどうしてああいう関係を築いたのか知りたいです。
 お母さんも子供が生まれたこと内緒にしていたわけですよね。そのへんの事情とかも気になります。

投稿: 蒼子 | 2008.10.04 14:09

こんにちは。この本、ちょっとお手伝いしたんです~。読んでいただけてうれしいです! けっこー生意気な双子にむかつきながら読んでしまったんですが、お父さんと相棒はかっこいいですよね! わたしもお父さんの過去、知りたいです。

投稿: fiafia | 2008.10.03 22:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 家族の絆:

« 大人にみえないもの | トップページ | ひとりで生きる »