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2008.12.15

密かな愉しみ

読破ページ数【30】


『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信作 新潮社(2008.11)

 懐かしい感じがする短編集。時代設定が昭和初期っぽいし(わたしの感覚)、語り手がお嬢さまや使用人で古風な文章。ちょっと奇妙な味のホラーなのかな。「身内に不幸がありまして」「北の館の罪人」「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」の5篇だが、それぞれに「バベルの会」という読書会が登場する。(副題?はThe Babel Club Chronicle)。そこにでてくる本が昔読んだ懐かしい本だったり、読みたくてもまだ読んでいない本だったりするのも、「懐かしい」と思った一因だろう。本のタイトル並べるとネタバレになってしまうのであげられません。
 どれも好みなんだけどやっぱり最後をしめくくる「儚い羊たちの晩餐」がいいかなぁ。中高生のころこっそり隠れて読んだ本たちを思い出して、どきどきしながら読んだ。

◆米澤穂信読了本の感想
氷菓
愚者のエンドロール
遠まわりする雛
インシテミル
夏期限定トロピカルパフェ
ボトルネック

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2008.12.08

ヴィクトリア朝

読破ページ数【20】

 
『仮面の大富豪 上・下――サリー・ロックハートの冒険2――』
フィリップ・プルマン作 山田順子訳 東京創元社 2008.10
・2006年フェニックス賞オナーブック
・1989年MWA賞(エドガー賞)YA小説ショートリスト

 前作『マハラジャのルビー』から6年たち、サリーはケンブリッジ大学女子コレッジを卒業し、財政コンサルタントとして活躍していた。そんなある日、サリーのオフィイスに顧客の老婦人がたずねてくる。サリーのアドバイスで投資した海運会社が倒産して貯えを失ってしまったのだ。その倒産について疑問を感じた婦人はサリーに原因の調査を依頼した。一方劇場で働いていたジムは、命を狙われているという奇術師を助けた。探偵業をしているフレデリックとともにその事件を調べはじめる。調査がすすむにつれふたつの事件の背後にひとりの人物がうかんでくる。

 原作はイギリスで1986年に発表され、アメリカでは1988年に発表されている。フェニックス賞は20年前の出版時に主だった賞を受賞していない作品から選ばれるというユニークな賞。ヴィクトリア朝時代を描いているので、ちっとも古びえはいない。
 22歳になったサリーは、仕事も軌道にのっている。しかしフレデリックからの求婚に素直に応じられない。その心情は現代にも通じるものがある。
 同じヴィクトリア朝を舞台にした「エノーラ・ホームズ」シリーズでも女性の自立がテーマとなっていて、どちらの主人公も親の遺産などを元手に職業婦人になっているところがおもしろいと思った。どちらも自立をつづける不安と誇りが描かれている、サリーはフレデリックの手をとり、エノーラも兄シャーロックのに庇護されれば楽なことはわかっているけどそうはできない。
 上巻は『マハラジャ~』と同じような冒険物として読んでいたが、下巻は怒涛の展開で、ページを繰る手が震えた。おもわず叫んでしまった結末は、個人的には『琥珀の望遠鏡』のラストに匹敵するせつなさではないだろうかと思う。3巻はサリーが25歳になる3年後。楽しみです。
 映像化もされていてミステリチャンネルで2008年11月に放映されました。見られなくて残念。

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2008.12.01

11月に読んだ本

読破ページ数【30】

★絵本

あたらしい ともだち トミー・ウンゲラー作 若松宣子訳 あすなろ書房(2008.10)
パパがやいたアップルパイ ローレン・トンプソン文 ジョナサン・ビーン絵 谷川俊太郎訳 ほるぷ出版(2008.09)
レッド・ブック バーバラ・レーマンさく 評論社(2008.09)
しゃっくり 1かい 1びょうかん―こどものためのじかんのほん ヘイゼル・ハッチンスさく ケイディ・マクドナルド・デントンえ 灰島かり訳 福音館書店(2008.09)
夜のスイッチ レイ・ブラッドベリ文 マデリン・ゲキエア絵 北山克彦訳 晶文社(2008.09)
オペラハウスのなかまたち リディア・フリーマン ドン・フリーマン作 やましたはるお訳 BL出版(2008.10)
3びきのゆきぐま ジャン・ブレット作 松井るり子訳 ほるぷ出版(2008.10)
あたまの なかの その なかは? シスカ・フーミンネ文 イヴォンヌ・ヤハテンベルフ絵 野坂悦子訳(2008.09)
アンジェリーナはスケーター キャサリン・ホラバード文 ヘレン・クレイグ絵 おかだよしえ訳 講談社(2008.11)
世界を動かした 塩の物語 マーク・カーランスキー文 S・D・シンドラー絵 遠藤育枝訳 BL出版(2008.09)
ウィッツィーとブーフ スージー・スパッフォード作 三原泉訳 BL出版(2008.08)
グラファロのおじょうちゃん ジュリア・ドナルドソン文 アクセル・シェフラー絵 久山太市訳 評論社(2008.11)

★読み物

パワー  西のはての年代記 III アーシュラ・K・ル=グウィン作 谷垣暁美 河出書房新社(2008.08)
あの犬が好き シャロン・クリーチ作 金原瑞人訳 偕成社(2008.10)
スタークロス フィリップ・リーヴ作 松山美保訳 理論社(2008.09)
書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記 桜庭一樹作 東京創元社(2008.09)
モップガール 加藤実秋著 小学館(2008.09)
ガンジス・レッド、悪魔の手と呼ばれしもの ディーン・ヴィンセント・カーター作 原田勝訳 あすなろ書房(2008.08)
ラッキー・トリンブルのサバイバルな毎日 スーザン・パトロン作 片岡しのぶ訳 あすなろ書房(2008.10)
ランプの精 リトル・ジーニー8 アイドルにドキドキ! ミランダ・ジョーンズ作 宮坂宏美訳 ポプラ社(2008.04)
オラクルの光 ~風に選ばれし娘~ ヴィクトリア・ハンリー作 杉田七重訳 小学館(2008.02) 
オラクルの光 ~預言に隠されし陰謀~ ヴィクトリア・ハンリー作 杉田七重訳 小学館(2008.03) 

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