« テディベアの価値は | トップページ | 7月に読んだ本 »

2010.07.25

距離のとり方

『ふたりの距離の概算』 米澤穂信著 角川書店(2010.06)

 2年生になった古典部のメンバーは、新入生を勧誘するが、仮入部したのはひとり。元気な女の子で、みんなとうまくやっているようだったのに、本入部を前に突然やめるといいだす。その理由を20キロのマラソン大会の最中に推理する奉太郎。ひきとめることはできるのか。

 人との距離のとり方は、むずかしい。新入部員(仮)との一か月足らずのあいだの付き合いの中のどこに問題があったのか、思い出しながら考えていくわけだが、中でもおもしろかったのは、奉太郎の誕生日の部分。考えてみると、高校生は校区がひろがるし、授業時間もふえるしで、友達の家に遊びにいくことなどめったにないことだと思う。なぜ迷わずに奉太郎の家にみんな来れたか、それを隠そうとする奉太郎がおかしかった。
 小学校からの腐れ縁、摩耶花のことを何も知らなくて愕然としたり……(これは奉太郎の性格からしたらしょうがないと思うけど)。マラソンの最中に、これだけ考えるとは、奉太郎もだんだん変わってきているのがよくわかる。いまは物理的な人間関係の距離も大切だけど、ケータイを介した距離も考えないといけないんだなと思った。なんたって、奉太郎も千反田さんもケータイもっていないからね。

 里志と摩耶花の話も気になるけれど、これまでにもいろいろと断片はあったように思う。わたしは順番めちゃくちゃに読んでしまったので、もう一度『氷菓』から一気読みしたら、読み落としていたストーリーが出てきそうな気がする。でもこの先も気になるので、新作が待ち遠しいです。

 

◆米澤穂信読了本の感想
氷菓
愚者のエンドロール
遠まわりする雛
インシテミル
夏期限定トロピカルパフェ
ボトルネック
儚い羊たちの祝宴

|

« テディベアの価値は | トップページ | 7月に読んだ本 »

ミステリ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13123/48970730

この記事へのトラックバック一覧です: 距離のとり方:

« テディベアの価値は | トップページ | 7月に読んだ本 »