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2010.08.31

まだまだ暑い

八月の暑さのなかで

八月の暑さのなかで ホラー短編集 金原瑞人編訳 岩波書店(2010.07)

 8月も終わりだというのに、まだまだ暑いです。少しでも暑さを忘れるためにホラーです(^^;)。はじめて読むものも、何度も読んだものも楽しめました。

「こまっちゃった」エドガー・アラン・ポー原作 金原瑞人翻案
 訳者あとがきにも書いてありますが、江戸川乱歩の『魔術師』にこの中のアイデアがでてくる。アニメ映画の「カリオストロの城」にもあるアイデアがでてきたような。やっぱり怖い。

「八月の暑さのなかで」W・F・ハーヴィー作
 表題作です。はじめて読んだけど、不思議な終わりかたでおもしろかった。

「開け放たれた窓」サキ作
 これをはじめて読んだのは、子どものころの雑誌かなと思う(挿絵があった気がするので)。何度読んでも怖いなぁと思う。

「ブライトンへいく途中で」リチャード・ミドルトン作
 わけのわからない状況から一気に恐怖へ。

「谷の幽霊」ロード・ダンセイニ作
 これは怖いというより、切ない。

「顔」レノックス・ロビンスン作
 大人向けのホラーでしょうか。子どものころ読んでいたら、意味わからなかったと思う。

「もどってきたソフィ・メイソン」E・M・デラフィールド作
 幽霊の話と思いきや、最後はもっと怖いものが。

「後ろから声が」フレドリック・ブラウン作
 最後にぞーっとする。

「ポドロ島」L・P・ハートリー作
 わけがわからないまま、怖い。

「十三階」フランク・グルーバー作
 ホラーです。怖いです(^^;)。

「お願い」ロアルド・ダール作
 これは子どもが読んだほうが怖いかも。誰でもやったことあるんじゃないだろうか。これも何度読んでも好きだなぁ。

「だれかが呼んだ」ジェイムズ・レイヴァー作
 これも最後で落とされる。

「ハリー」ローズマリー・ティンパリ作
 切なくて、怖くて好きです。

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2010.08.10

久しぶりに驚いた

『創世の島』バーナード・ベケット作 小野田和子訳 早川書房(2010.6.15)

★2007年エスター・グレン賞受賞
★2007年ニュージーランド・ポスト児童書及びヤングアダルト(YA)小説賞 YA小説部門受賞

 アカデミー入学試験のために、4時間もの口頭試問を受けるひとりの少女、アナクシマンドロス。試験のテーマは「アダム・フォード」。21世紀末、世界大戦と疫病によって人類は危機に瀕したが、大富豪プラトンが建設した共和国の島だけが、徹底的な外部との隔離によって生きのびた。海にはフェンスがはりめぐらされ、つねに外部からの侵入者を監視し、見つけ次第射殺する。共和国の人々はゲノム情報から、労働者、戦士、技術者、特権階級の哲学者と厳密にわけられた階級制度によって管理されていた。南のフェンスを監視していたアダム・フォードは、ある日船で漂流していた少女を助けたことで伝説となった人物だった。

 無表情な試験管とアナクシマンドロスとの緊張感あふれる対話から、徐々に共和国の建国の経緯や社会構造がわかってくる。そして後半は、人工知能を学習させるという、奇妙な刑を受けたアダム・フォードと、人工知能アートとの対話がつづく。驚愕の結末のあと、読み直すと細かく伏線がはられていたことにまた驚く。
 後味については、賛否両論あるだろうが、緻密に構成された物語という点ではとてもおもしろかった。あまり書くとネタバレになってしまうので、とにかく読んでみてください。

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2010.08.03

音楽の力

『モーツァルトはおことわり』 マイケル・モーパーゴ作 マイケル・フォアマン絵 さくまゆみこ訳 岩崎書店(2010.07)

 新米記者の〈わたし〉は、上司が怪我をしたために、急遽世界一有名なバイオリニスト、パオロ・レヴィのインタビューをすることになった。ただ、モーツァルトについては質問してはいけないという。はじめての大仕事に緊張と不安をかかえながら、〈わたし〉はヴェニスのマンションにレヴィをたずねた。前もっていろいろと調べてはいたものの本人を前にして、だめだといわれていたプライベートにかかわる質問「バイオリンを弾くきっかけ」を聞いてしまった。しかし、レヴィは何かを決心したように、ひとつの物語をはじめたのだった。

 レヴィは自分がバイオリンをはじめたきっかけから、ナチスが強制収容所でオーケストラを演奏させていたこと、そしてモーツァルトを演奏しない理由が語っていきます。人の心を豊かにし、慰め、喜びを与えるはずの音楽。聞く者にとっても演奏する者にとっても、幸せになるはずの音楽が、悲しい記憶となって、強制収容所を生きのびた人々に重い影をのこしたのでした。

 好きな音楽が、こんなふうに残酷な使われ方をすることに、怒りを感じるとともに、人間のたくましさに希望をもたせてくれました。

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2010.08.01

7月に読んだ本

7月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1672ページ

世界画廊の住人 (幻狼ファンタジアノベルス)世界画廊の住人 (幻狼ファンタジアノベルス)
独特の世界観に圧倒された。
読了日:07月30日 著者:栗原 ちひろ
がんばれ!グレイビーがんばれ!グレイビー
読了日:07月26日 著者:キャロライン ジェイン チャー
どうしてアフリカ?どうして図書館?どうしてアフリカ?どうして図書館?
数多くのアフリカに関する本を訳している著者の、アフリカに興味をもつようになったきっかけから、今日までの活動。
読了日:07月23日 著者:さくま ゆみこ
ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
新勧祭の各部キャッチコピーが笑えました。タイトルから奉太郎と千反田さんの「距離」かと、どきどきしながら読みました。ふたりもだけど、そのほかの「距離」もでした。苦い終わりだけど、ふたりのこれからは、ますます気になるところです。
読了日:07月20日 著者:米澤 穂信
死神姫の再婚 -鏡の檻に棲む王- (B’s‐LOG文庫)死神姫の再婚 -鏡の檻に棲む王- (B’s‐LOG文庫)
読了日:07月18日 著者:小野上 明夜
植物はヒトを操る植物はヒトを操る
育種家という職業をはじめて知りましたが、おもしろかった。奥が深いです。
読了日:07月14日 著者:いとう せいこう,竹下 大学
ぼくんちのテディベア騒動ぼくんちのテディベア騒動
チャリティーショップのごみ箱からもってきてしまったテディベアをめぐる大騒動。
読了日:07月13日 著者:クリス ダレーシー
ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術 (宝島社新書)ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術 (宝島社新書)
ちょっとネットから離れているあいだに、いろいろと乗り遅れてしまったので、勉強になった。特に情報をどこまで出すかというプライバシーの考え方には、共感する部分が多かった。今年一月の発行ですが、あっという間に内容が古くなってしまうのだろなぁと思う。
読了日:07月03日 著者:佐々木 俊尚

読書メーター

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